強弁をふるう人たち〜二分法

二分法を使う人二分法とは、たとえば、「正義」「悪」の2つに分け、敵対者には「悪」のレッテルを貼って攻撃する方法です。
具体的には、以下でしょうか。

・国民の意見は「正義」
・オレは国民に選ばれたんだ! だから、オレは正義。
→「正義」「悪」の2つに分けていますよね
・オレの政策に逆らう奴は、皆、悪! 抵抗勢力だ!
→敵対者には「悪」のレッテルを貼って、攻撃していますよね

・・・どっかで聞いたことがありますね(笑)

オレの政策がすべて、国民の意見を反映しているわけではありませんし、実は、オレの政策に逆らう人が、国民にとって、真に有益な意見を出すかもしれません。
そもそも国民の意見は正義なんですかね。

世の中、正義と悪に分けることはできませんが、そういうのを一切、取っ払って、「正義」「悪」と2つに分け、敵対するものを「悪」としてレッテルを貼って攻撃するのが二分法です。

<注記>
特定の政治家を揶揄するわけじゃありませんので、あしからず。わたしは、政治、宗教に、まったく興味がありませんし(なぜ、人は、宗教を妄信するのかには興味がありますが)。また、二分法を使わないと、世の中、動かせないってこともあるでしょうし。

他にも、以下でしょうか。

あなた:「この件については、社長が仰っていたAではなく、AとCの折衷案のBでいいでしょうか」
取り巻き:「社長はAなんだ! 社長に逆らうのか? さては、オマエは副社長派だな」
あなた:「そういう派閥の問題じゃなく、現実をみての・・・」
取り巻き:「社長に逆らうやつは、悪だ! オマエは悪だ!」
あなた:(切ない気持ちで満たされていく・・・)
〜終了〜

通常、交渉には「落としどころ」があります。そこに着地させるように話しますが、この二分法を使われると、取り付く島もなくなってしまい、なんとも切ない気持ちになってしまいます。

二分法を使う人への対抗手段

個人的な見解です。
二分法を使う人たちには、わたしは以下のようにしています。

1.まずは、認める
「あなたの言う通り!」
2.デメリットを強調する
「でも、そうすると×というデメリットがありますよ」
3.時間を置く
「とりあえず、この件はまた後で」

1ですが、認めないと話が進まないので、まずは認めましょう。
2ですが、以下のように言うこともあります。

・あなたの言う通りにすれば、×というメリットがあるんですね!スゴイです。さすがです!
・でも、×っていうデメリットもありますよね・・・。
・まあ、そのデメリットも想定内なんでしょうねー

二分法を振りかざす人のプライドを傷つけないように「あなたは間違えていますよ」と伝えるわけです。
3ですが、二分法を使う人は、間違えていると気がついても、すぐには意見を変えないので、時間を置く必要があると、私は思います。

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対集団では、二分法は強力

あくまで私の個人的な見解ですが、この二分法、トップが集団に使うと、なかなか強力かなと。

「オレは国民に選ばれたから正義だ! 逆らう奴は悪だ!」
「わたしは社長なのよ! 逆らう奴は悪だわ!」
「アイツは、A派閥だ。A派閥は悪だから、アイツの意見は間違っている」

二分法を使って、逆らう人々に「悪」とレッテルを貼って、徹底制裁をしていけば、集団の団結力がアップ。
意のままに集団を操ることができてしまいます。
ただ、これだと反発は避けられません。

そこで、(あくまで個人的な見解ですが)確か、韓非子にあった「ルールで裁くと不満が出ない」を利用するとより一層、コントロールできるのではないでしょうか。
具体的には、「法律」「ルール」などを使えばいいのかなと。
たとえば、以下。

「ルールは守るものです。ルールを破る人は罰しないといけません。あなたのしたことは同情できますが、ルール違反です。残念ながら、あなたを罰しないといけません」

なにか、正しいように聞こえてしまいます。
でも、言い換えれば以下ですからね。

「ルールは絶対だ! ルールに逆らうやつは悪だ!悪であるオマエを罰する!」

そもそも、法律やルールは、人々が暮らしやすくするために、定めるものです。
人の心あってこそのルールや法律。
しかも、世の中、完全なルールや法律なんて存在しません。
でも、ルールや法律は守るものだという固定概念がありますし、たいてい、ルールを守った方が平和なので、人は、ルールを守ることに固執してしまうんですね。
その心理に、二分法をうまく適合させているのですね。

ちなみに、個人的な見解ですが、政治家に限らず、支配者って、この二分法を好んで使うように思います。それだけ、二分法って、対集団には威力があるんでしょうね。
※)ちなみに、わたしは歴史には、かなり疎く、歴史に関する知識は、大抵、ゲームか漫画由来なので(笑)支配者が二分法を好んで使っているかどうかは不明です。あくまでイメージということで。

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二分法を悪用

あなたの心がどす黒く(笑)、かつ、管理職ならば、職場のルールをみんなで決めて、そのルールを盾にして、二分法を使うと、きっと職場を完全掌握できることでしょう。
※)みんなで決めるってのもミソです。人は自分で決めると、従いやすくなるんですね。みんなで決めるっていっても、自分にとって都合が良くなるように、誘導していくって感じにするんですね。

具体的に、みんなでルールを決めれば、あなただけではなく、あなたの配下も、以下のように言って、逆らう人を制裁して、集団を支配できるようになります。しかも、まるで、あなたやあなたの配下が正しいように見えますしね。

「キミの行動は、みんなで決めたルール(=自分にとって都合のいいルール)に反するね。キミのしたことは理解できるけど、ルールはルール。バツを受けないとダメだね・・・」

「二分法を悪用」に対抗する策

逆に、どす黒い管理職の人が、二分法を悪用してくれば、あなたは、どうすればいいのでしょうか。
周りのみんなに、このメルマガの知識がなければ、どす黒い、管理職の人に、意のままに操られることでしょう。特に、みんなでルールを作って、それを盾にして、二分法を使われると、止めることは、きっとできません。逆らえば、あなたは追い詰められていくことでしょう。
ほんと、恐ろしい手法ですよね。

・・・次回は、「正義の旗を悪用する人」を紹介します。
ただ、なんか、方向性が変わってきている気がするので、強弁をふるう人たちの話は、次回で終了です。

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