人は、権威に弱い

お昼のワイドショーの「防犯対策」特集を見ていると、防犯を語るのは、「専門家」か、「かつて空き巣に手を染めていた人」ですよね。
防犯オタクの一般のサラリーマンが語ることはありません。
これは、なぜか、考えてみましょう。
というわけで、以下を見てください。

■かつて空き巣に手を染めていた人(Cさん)が、空き巣に入られないようにする防犯対策を発表!
■空き巣について私費を投じて研究している一般のサラリーマン(Dさん)が、空き巣に入られないようにする防犯対策を発表!

どっちの防犯対策の方が信頼性が高いと感じるのかといえば、きっと、Cさんでしょう。誰しも「Dさんって誰だよ?」って、ツッコむのではないでしょうか。
でも、Cさんは色々な事情があったといえ、犯罪に手を染めていましたが、Dさんは色々な事情があったかもしれないのに、犯罪に手を染めていません。
なので、情報の発信者の信用性を比べると、「Cさん<Dさん」です(あくまで一般論です)。でも、情報(防犯対策)の信用性は、「Cさん>Dさん」です。
もっというなら、Cさんが最新の防犯を知っているかどうか怪しいですし(むしろ、Dさんの方が知識がありそう)、しかも、Cさんが裏技を話すかどうかもわからないのに、(むしろ、Dさんは裏技までぺらぺら話しそう)、でも、空き巣の防止策の信用性は、「Cさん>Dさん」です。
中には、Cさんは「改心したんだから、きっと信用できる人物かもしれない」とまで思ってしまう人もいることでしょう。(つまり、情報の発信者の信用性も「Cさん>Dさん」に感じる) 。

なぜ、このようになってしまうのかというと、人は「権威」や「専門家」の意見を信じてしまうためです。
社会的地位がある人、専門家、有名人…こういう肩書きがあれば、どういう人かわからなくても、何か信用できてしまうんです。
もっというなら、例えば、たとえ、薬Aの効果は「ない」としても、医者という専門家が「効果がある」と言っている中、中卒のオッサンが「効果がない」と言っても、信用されないんです。

権威の利用

以下は、Aさんのブログの記事のタイトルです。 しかも、全部、有名人と2ショット写真付きの記事。Aさんって、すごいと思いますか?
※)Aさんは実在しません。架空です。

・有名な芸能人と話しました!
・有名な政治評論家との2ショット写真です!
・著者と食事しました
・国際弁護士とみっちり話しました。

はじめは「Aって誰だよ?」と思っていたのに、ブログの記事を読んでいるうちに「Aって有名人?もしくはスゴい人?」なんて思ってきますよね。
でも、実は・・・。

・有名な芸能人と話しました!→パーティーで話しただけ
・有名な政治評論家との2ショット写真です!→セミナーの懇親会で撮影しただけ
・著者と食事しました→ビジネス書、実用書の著者の大半は一般人です。オファーをかければ応じてくれる人もいることでしょう。
・国際弁護士とみっちり話しました。→異業種交流会で話しただけ

・・・大したことはないですよね。
でも、情報の「見せ方」で、これだけ変わるんです。
つまり、情報の見せ方次第で、以下のようにできるんです。

大したことがないAさん→「ひょっとして大物かも!?」のAさん

もっというなら、上記の例は、他人の「権威」を利用して、さも自分はスゴい人だとPRすることに成功しています(実際はもっと巧妙にするでしょうね)。
コンサルタントは「権威」が全てといっても過言ではありませんので、上記のように「有名人と・・・」「著名人と・・・」ってのが、多いんでしょうね。

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