自我消耗説
美容院で、クーリエ・ジャポンを読んでいたら、「自我消耗説」なるものがあるとのこと。
自我消耗説とは「自制心や意志の力には限りがある」ととなえている説です。
「数値」でたとえるならば、以下。
・自制心や意志の力に「300」みたいな数値がある(とする)
・その数値は、自制したり決断したりすると減っていく
・日常品を買う決断をすると、自制心・意志の力が5減って295になる
・ダイエットのために、甘いものをガマンするという決断をすると100減って、195になる
・100万円のものを購入するという重大な決断をすると、150減って、45になる
・0近くになれば、「間違った決断」をすることがある
・甘いものを食べたり、眠ったりすると、回復する
※)数値は適当です。
だから、厳しいダイエットをしていたり、責任重大な仕事をしたりしている人は、他のところでは、自制心がなかったり、意志の力が弱かったりするとのこと。
※)ダイエットや責任重大な仕事で、自制心や意志の力を消耗しているため。
心理学に限らず、どの学問もそうですが、あくまで「ひとつの説」ですが、「確かに、そうかも」って思いますよね。
セールステクニックに気をつけましょう
この自我消耗ですが、具体的に実生活でどう影響するのでしょうか。その一例です。
Aさん:(新車、全部で288万円か…。でも買おう!)
Aさん:「じゃあ、この車、買います!」
販売員:「有難うございます。あ、そうだ。この車を買った人限定で、カーナビを2万円で付けることができますが、どうされますか?」
Aさん:「……」
販売員:「それに、この車種だと、たった1万円で、キーレスにもできるんですよね」
Aさん:「……」
販売員:「それに、フロアマットもどうですか。こちらは3千円です」
Aさん:「どうしようかな…」
販売員:「セットでご購入していただけると、フロアマットを無料で差し上げて、その上に5千円割引します。車の288万円に、2万円と少し加わるだけなので、お得ですよ」
Aさん:(そんな金額はいかないようだし…もうどうでもいいや!)
Aさん:「じゃあ、そのセットもお願いします」
アンカーを利用したセールステクニックです。
※)アンカーについては、また今度。
が、自我消耗説を信じるならば、以下ともとれますよね。
・288万円という重大な決断をして自制心や意志の力が激減した後を狙う
・具体的には、さらに決断を迫って、自制心や意志の力を減らす
・消耗しきったところで、他の商品を売りつける
※)ただ、アンカーを利用するために、販売したものよりも、安価なものを売りつける
他にも、家電量販店の「保証期間延長サービス」。
レジに商品を持っていくと、「購入代金の×パーセントで保証期間延長サービスがあります」って言ってきますよね。
これも、散々、どの家電にしようか迷って、購入を決断した後、すなわち、自制心や意志の力がなくなった後を狙ったものなのかもしれませんね。
てか、実際、メーカー保証を超えてまで保証が必要なことって、あるんですかね。私は絶対にしないんですけど、友人が契約するのを見たことがあります。
友人に聞いたところ「断るのが、しんどかったから」って。
やっぱ、自我消耗を狙った手なんですかね。
というわけで、自我消耗説を信じるならば、商品を購入した後こそ、注意が必要なのかもしれません。
余計なものは買わない。
事前に買うものを決めておく。
決断は先延ばしにする(元気なときに決断する)
これこそがセールステクニックにやられない防衛策かなと。
疲れている女性に声をかければいい?
この自我消耗を信じると、重大な決断をしたあとの女性に声をかけると、女性の判断が鈍っているので、口説きやすくなるかもしれないということになります。具体的には以下です。
・重要な決断をしたあとの女性に声をかける
・ひたすら、押す
ちなみに、看護師は口説きやすいと感じていますが、看護師は、日々、重大な決断をせまられます。だから、自我消耗で、決断が鈍くなっていて、口説きやすいというのもあるのかもしれません。